5分で習得!コマンドプロンプトでPythonスクリプトを実行する基本操作

準備・環境構築

※本記事のコードや情報は執筆時点の仕様に基づいています。投資は自己責任であり、必ずデモ環境や少額資金でテストした上で運用してください。

Pythonのインストールが完了したにもかかわらず、「書いたコードをどうやって動かせばいいのか分からない」という段階で手が止まってしまうケースは非常に多いです。

Pythonスクリプトの実行方法は複数ありますが、最も基本的かつ確実な方法はWindowsのコマンドプロンプトから実行する方法です。この記事では、スクリプトファイルの作成から、コマンドプロンプトでの実行、対話モードの使い方、そして初心者が必ず遭遇するエラーの対処法まで、5分で完了できる手順として網羅的に解説します。

Pythonスクリプトを実行する3つの方法

Pythonコードを実行する方法は大きく分けて3種類あります。まずは全体像を把握してください。

実行方法の比較一覧

実行方法 特徴 用途
コマンドプロンプトから .py ファイルを実行 最も基本的で汎用性が高い スクリプトの本番実行
対話モード(インタラクティブモード) 1行ずつ即座に結果を確認できる 動作テスト・簡単な計算
IDLEやVS Codeなどのエディタから実行 GUI上でコード編集と実行を一体化 開発・デバッグ作業

この記事では、すべての基礎となるコマンドプロンプトからの実行方法を中心に解説します。

この記事で身につくスキル

この記事の手順を最後まで完了すると、以下の操作が自力で行えるようになります。

  • テキストエディタでPythonファイル(.py)を作成・保存する
  • コマンドプロンプトを開き、任意のフォルダに移動する
  • python ファイル名.py コマンドでスクリプトを実行する
  • 対話モードで簡単なコードを即座にテストする

事前準備:Pythonがインストール済みか確認する

実行作業に入る前に、Pythonが正しくインストールされ、PATHが通っている状態であるか確認が必要です。

バージョン確認コマンド

コマンドプロンプトを開き、以下のコマンドを入力してください。


python --version

Python 3.12.x のようにバージョン番号が表示されれば、Pythonは正常にインストールされています。

PATHが通っていない場合の症状

以下のようなメッセージが表示された場合、PATHの設定に問題があります。


'python' は、内部コマンドまたは外部コマンド、
操作可能なプログラムまたはバッチ ファイルとして認識されていません。

この場合は、先にPythonのインストールとPATH設定を完了させてください。

コマンドプロンプトの開き方

Windowsでコマンドプロンプトを開く方法は複数あります。最も素早い方法は以下のとおりです。

  1. Windowsキー + R を同時に押す
  2. 「ファイル名を指定して実行」ダイアログに cmd と入力する
  3. Enterキーを押す

これでコマンドプロンプトが起動します。

Pythonスクリプトファイルの作成方法

コマンドプロンプトで実行するためには、Pythonコードを .py 拡張子のファイルとして保存する必要があります。

テキストエディタの選択

Pythonファイルの作成には、プレーンテキストを保存できるエディタを使用してください。

  • メモ帳(Notepad): Windows標準搭載。最もシンプル
  • VS Code: 無料で高機能。補完やデバッグ機能を備えている
  • サクラエディタ / TeraPad: 軽量な国産エディタ

WordやWordPadは使用しないでください。 これらは書式情報が混入し、Pythonが正しく読み取れないファイルになります。

【コピペOK】テスト用スクリプトの作成

以下のコードをテキストエディタにコピーし、デスクトップに hello.py というファイル名で保存してください。


# ==============================
# はじめてのPythonスクリプト
# ==============================

def main():
    print("=== Python動作確認 ===")
    print("Hello, Python!")

    # 簡単な計算テスト
    a = 10
    b = 3
    print(f"{a} + {b} = {a + b}")
    print(f"{a} × {b} = {a * b}")
    print(f"{a} ÷ {b} = {a / b:.2f}")

    print("=== 実行完了 ===")

if __name__ == "__main__":
    main()

ファイル保存時の注意点

メモ帳で保存する場合、以下の3点に注意してください。

  • ファイル名: hello.py(拡張子を .py にする)
  • ファイルの種類: 「すべてのファイル (*.*)」を選択する
  • 文字コード: 「UTF-8」を選択する

「ファイルの種類」を「テキスト文書 (*.txt)」のままにすると、hello.py.txt という二重拡張子になり、Pythonが認識できません。

コマンドプロンプトからスクリプトを実行する手順

ファイルの準備が完了したら、いよいよコマンドプロンプトから実行します。

ステップ1:ファイルの保存場所に移動する

コマンドプロンプトは、起動直後は C:Users<ユーザー名> にいます。先ほどデスクトップにファイルを保存したため、デスクトップに移動する必要があります。

以下のコマンドを入力してください。


cd Desktop

正しく移動できると、プロンプトの表示が以下のように変わります。


C:Users<ユーザー名>Desktop>

ステップ2:pythonコマンドで実行する

移動が完了したら、以下のコマンドでスクリプトを実行します。


python hello.py

正常に実行されると、以下の出力が表示されます。


=== Python動作確認 ===
Hello, Python!
10 + 3 = 13
10 × 3 = 30
10 ÷ 3 = 3.33
=== 実行完了 ===

この出力が確認できれば、Pythonスクリプトの実行は成功です。

ステップ3:フルパスで実行する方法

cd コマンドで移動せずに、ファイルのフルパスを直接指定して実行することも可能です。


python C:Users<ユーザー名>Desktophello.py

プロジェクトフォルダが深い階層にある場合や、バッチファイルから呼び出す場合はこの方法が便利です。

対話モード(インタラクティブモード)の使い方

.py ファイルを作成せず、コマンドプロンプト上で直接Pythonコードを入力・実行する方法もあります。

対話モードの起動と終了

コマンドプロンプトで python とだけ入力してEnterキーを押すと、対話モードが起動します。


C:Users<ユーザー名>> python
Python 3.12.x (tags/v3.12.x:xxxxxxx, ...)
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>>

>>> というプロンプトが表示されたら、対話モードに入っています。ここに直接Pythonコードを入力できます。

終了するには、以下のいずれかを入力してください。

  • exit() と入力してEnter
  • Ctrl + Z を押してからEnter

対話モードの活用場面

対話モードは以下の用途に適しています。

  • ライブラリが正しくインポートできるか確認する
  • 関数の戻り値を素早くテストする
  • 簡単な四則演算を行う

対話モードはあくまでテスト・検証用です。本格的なスクリプトは必ず .py ファイルに保存して管理してください。

【コピペOK】対話モードでのライブラリ動作確認

対話モードで以下のコードを1行ずつ入力すると、yfinanceライブラリの動作確認ができます。


>>> import yfinance as yf
>>> ticker = yf.Ticker("7203.T")
>>> info = ticker.fast_info
>>> print(f"時価総額: {info.market_cap:,.0f}")

エラーなく時価総額が表示されれば、ライブラリのインストールとPython環境がすべて正常に連携しています。

実行方法の応用テクニック

基本の実行方法をマスターしたら、効率を上げるための応用テクニックも押さえておいてください。

エクスプローラーのアドレスバーからコマンドプロンプトを開く

cd コマンドで深い階層まで移動するのは手間がかかります。以下の方法を使えば、任意のフォルダで即座にコマンドプロンプトを開けます。

  1. エクスプローラーで目的のフォルダを開く
  2. アドレスバーをクリックして cmd と入力する
  3. Enterキーを押す

そのフォルダをカレントディレクトリとしたコマンドプロンプトが起動します。

ドラッグ&ドロップでファイルパスを入力する

コマンドプロンプトに python と入力した後(半角スペース付き)、エクスプローラーから .py ファイルをコマンドプロンプトのウィンドウにドラッグ&ドロップすると、ファイルのフルパスが自動入力されます。

パスの入力ミスを防げるため、非常に便利な方法です。

コマンド引数を渡して実行する

Pythonスクリプトには、実行時に引数を渡すことができます。以下は引数を受け取るサンプルコードです。


import sys

# ==============================
# コマンド引数テスト
# ==============================
def main():
    if len(sys.argv) < 2:
        print("使い方: python args_test.py <銘柄コード>")
        return

    symbol = sys.argv[1]
    print(f"指定された銘柄コード: {symbol}")

if __name__ == "__main__":
    main()

このファイルを args_test.py として保存し、以下のように実行します。


python args_test.py 7203.T

出力結果は 指定された銘柄コード: 7203.T となります。将来的に自動売買スクリプトを作成する際、銘柄コードや期間を外部から指定するために頻繁に使う手法です。

よくあるエラーと対処法

「SyntaxError: invalid syntax」と表示される

最も多いエラーの一つです。主な原因は以下のとおりです。

  • 全角スペースが混入している
  • 括弧 () やコロン : が抜けている
  • 対話モード内で python hello.py と入力している(対話モード内ではファイル実行コマンドは使えない)

特に全角スペースの混入は目視で発見しにくいため、エディタの「空白文字の表示」機能をオンにすることを推奨します。

「No such file or directory」と表示される

指定したファイルが見つからない場合に発生します。確認すべきポイントは以下の3つです。

  • カレントディレクトリが正しいか(cd で移動済みか)
  • ファイル名のスペルが正しいか
  • 拡張子が .py.txt のように二重になっていないか

以下のコマンドでカレントディレクトリ内のファイル一覧を確認できます。


dir *.py

目的のファイルが一覧に表示されなければ、保存場所またはファイル名に問題があります。

「ModuleNotFoundError: No module named ‘〇〇’」と表示される

import しようとしたライブラリがインストールされていない場合に発生します。以下のコマンドでインストールしてください。


pip install <ライブラリ名>

また、複数バージョンのPythonが共存している場合、pip のインストール先と python の実行先が異なるバージョンを指している可能性があります。その場合は以下のように実行してください。


python -m pip install <ライブラリ名>

python -m pip 形式を使えば、現在実行されているPythonバージョンに確実にライブラリがインストールされます。バージョン不一致のトラブルを防ぐ最も確実な方法です。

「UnicodeDecodeError」が発生する

日本語を含むスクリプトや、日本語ファイル名のCSVを読み込む際に発生しやすいエラーです。ファイルを保存する際は、必ずUTF-8エンコーディングを指定してください。

Pythonコード内でCSVファイルを読み込む場合は、以下のようにエンコーディングを明示的に指定します。


import pandas as pd

df = pd.read_csv("data.csv", encoding="utf-8")

utf-8 で読み込めない場合は、shift_jiscp932 を試してください。

まとめ

Pythonスクリプトの実行は、以下の3ステップで完了します。

  • .py ファイルをテキストエディタで作成し、UTF-8で保存する
  • コマンドプロンプトで cd コマンドを使い、ファイルの保存場所に移動する
  • python ファイル名.py を入力してEnterキーを押す

また、覚えておくべき応用テクニックは以下のとおりです。

  • アドレスバーに cmd と入力すれば、任意のフォルダで即座にコマンドプロンプトを開ける
  • python -m pip install 形式を使えば、バージョン不一致のトラブルを回避できる
  • コマンド引数(sys.argv)を使えば、実行時に銘柄コードなどを外部から指定できる

コマンドプロンプトからのスクリプト実行は、自動売買やデータ分析パイプラインを構築する際の最も基本的な操作です。この操作を確実にマスターすることで、タスクスケジューラによる定期実行やバッチ処理への応用がスムーズに進みます。

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